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野村 幹弘; 笠原 清司; 小貫 薫
JAERI-Research 2002-039, 24 Pages, 2003/01
水素製造ISプロセスの熱効率を熱力学的視点で評価した。ISプロセスに限らず、熱を用いて水素を製造するプロセスの熱効率の上限はカルノー効率で得られる仕事量で制限されることを示した。高温熱源温度を1123K,熱源への返却温度733Kとすると、熱効率の上限は81.3%である。さらに、ISプロセスの最大熱効率を各反応,分離操作のG-T線図を書くことにより評価した。分離仕事を考慮しない場合のISプロセスの最大熱効率は78.2%となる。実際は、硫酸の濃縮操作及びHI水溶液の濃縮操作は温度によらずギブスエネルギーが常に正なので、仕事を投入する必要がある。分離操作は熱効率に大きな影響を与え、分離操作の有無により熱効率が53.5%から76.6%と23.1%変化した。また、正確な評価には精度ある熱力学データーが重要であり、今回の評価でブンゼン反応におけるヨウ素の添加の影響を調べる必要があることがわかった。